・財前知典先生(株式会社 PTNEXT)

【運動連鎖を臨床にどう活かすか?】

 

理学療法士は動作を改善させることによって患者さんのニーズに応える仕事である。動作を改善することによって「痛みを軽減する」「パフォーマンスを向上させる」「呼吸を楽に行える」「行動範囲を拡大する」「ADL・QOLを向上させる」「歩容を改善する」「健康寿命を延ばす」などの様々なニーズに応えることが可能である。しかし、いざ動作を改善するとなると正常を基準に展開し、可動域や筋力訓練、動作の反復練習といった短絡的な方法を行っていることも少なくない。現在、正常と捉えられているものはただの平均である。平均に近づければ効率の良い動作になる保証はどこにもないばかりか、逆効果になってしまうことも少なくない。理学療法で結果を出すためには、個人個人を評価し、良い動作の方向性を決定することが重要となる。その方向性の決定を臨床的に簡便にする方法として、誘導の法則や運動連鎖を理解し適切に用いることが臨床上有用である。その具体的手法と考え方について解説する。

 

・稲垣郁哉先生(Crawling Lab)

【手部からのアプローチ+α  理学療法士の新たな働き方】

 

「手部からのアプローチ」では、手部を誘導した際に身体にどのような変化が生じるかをお話し致します。これを理解するには手部とハイハイ動作の関係が重要です。

ヒトの上肢機能にはハイハイ動作の名残りが多く存在します。

この点を考慮した手部からの運動連鎖を解説し、手部を誘導してどのように歩行や片脚立位が変化するかデモを踏まえて説明致します。

 また、プラスαの「理学療法士の新たな働き方」では、理学療法士×個人事業主についてです。

理学療法士の多くは副業を認められている事が多く、この利点を活かすには個人事業主になる事です。

会社員兼個人事業主のメリット、デメリットなど解説致します。

 

・吉田一也先生(人間総合科学大学)

ランチョンセミナー

【キネシオロジーテーピングとしてのデルマテープの役割】

 〜テープを使いこなすための基礎知識〜

 

テーピングは、スポーツテーピングとキネシオロジーテーピングに分けられます。

今回のランチョンセミナーでは、キネシオロジーテーピングのひとつであるデルマテープの理論と使い方について解説します。テープの素材・特性、テーピングの理論を知り、テープのもつ可能性や限界を理解いただければと思っています。本講義が他のテープとの併用アプローチの一助となれば幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

 

・丹羽麻奈美先生(女性のための整体サロン PALM)

【症例検討から学ぶ女性の身体変化】

〜理学療法観点からみた評価と治療〜

 

妊娠・出産を1度でも経験していれば何年経っても産後 

理学療法士として働く中で、女性の患者様を担当しないことはないと思います。

70歳でも80歳でもその方の全体像を把握する上で、妊娠・出産の身体変化を学ぶことはとても重要です。

また、女性の一生涯において、短期間で起こる最も大きな身体変化である、

妊娠・出産に対して、理学療法の知識を活かして関われることがたくさんあると感じます。

今回は、妊娠・出産時の身体変化や、実際の症例を通して評価・治療展開などお伝えしたいと思います。

✳︎妊娠期の身体変化✳︎産後ケアについて✳︎症例検討

 

・舟波真一先生(BiNIアプローチセンター東京銀座)

【運動の成り立ちとは何か?~自己組織化理論と自己組織化アプローチ~】

 

 我々は,「人の動き:運動」を,地球上で一様に与えられている力学的法則に立脚して,臨床家としての新しい視点を加えて考察し,自己組織化理論に基づく運動生成として捉えなおしています.そして,バイオメカニクスの観点から観察・説明できる身体運動を,神経科学・発生学・非線形力学・運動器連結を含む構造・人の左右特異性・感覚入力位置特異性などの観点と関連性を持たせながら統合的に説明する概念,「統合的運動生成概念」を構築しました.

 身体運動に対する治療介入においてはバイオメカニクスで観察される外力こそ,中枢神経系が取り込む「感覚」であると,我々は考えています.そしてその「感覚」こそが,「中枢神経系」というコンバーターによって「運動」に変換されます.人が調節可能な外力である床反力,慣性力などをすべて「感覚」として捉え,治療に応用しております.人体構造の変化も感覚の変化を生起するため,組織の性質・アライメントも重要視しております.

 当日は,疾患に関わらずシンプルでありながら的確な変化を引き起こす,BiNI Approach (Biomechanics and Neuroscience Integrative Approach) を併せてご提案させて頂きます